■ Aries ・・・ 牡羊座
あの巨大なアルゴ船に乗った50人の勇士がギリシャからコルキスに向い、探していた空を飛ぶ黄金色の羊の姿。テッサリアの王アタマスは、先妻ネフェレーとの間に二人の子がいた。王子プリクソスと王女ヘレーである。やがて離婚し二人目の妻イーノとの間にもレアルコスとメリケルテスが生まれる。そして、ある日王子プリクソスと王女ヘレーが継母に殺されそうになった時、大神ゼウスは毛が金色に輝く牡羊を二人のもとへ送った。この羊は、テッサリア王の二人の子を背中に乗せ、空を飛んでコルキスに送って行った。この時コルキス王は珍しい羊を守るために、一晩中眠ることのない竜を見張りに付けた。この竜が北の空にとぐろを巻くりゅう座のセゴヴィアである。
■ Taurs ・・・ 牡牛座
大神ゼウスがフェニキア国のポイニクス王の娘エウロバのその美しさに魅せられ、彼女が野で花を摘んでいる時、純白の牡牛に変身した白い大きな牛の姿と言われている。彼女は、牡牛の優しげなまなざしに心を許し、言われるまま背中に乗った。すると牡牛は猛スピード走り出し、地中海を渡ってクレタ島まで連れ去って行った。やがて彼女はゼウスの子を生み、後にミノス王としてクレタ島を支配する。ヨーロッパ大陸の名前は彼女エウロパから取ったと伝えられている。背中のプレヤデスは、天を支える神アトラスの娘の七人姉妹である。
■ Gemini ・・・ 双子座
メソポタミア地方では、ナブー(知恵の神)とマルドゥク(バビロニアの首都バビロンの守護神)の2神の姿と考えられ、それがギリシャへ伝わって、双子の英雄カストルとボルックスの姿と考えられるようになった。母のレダははくちょう座になっている。
■ Ophiuchus ・・・ へび使い座
太陽神アポロンとテッサリアの王女コロニスとの間の息子アスクレーピオスの姿。彼は幼い頃からケイロンに育てられ、最高の医術を伝授されている。蛇の毒を薬に変えて死んだ人も生き返らせることさえもできた名医であったが、定められた人間の運命を変えたことは、自然の秩序を乱すと大神ゼウスの怒りをかうことになり、殺されてしまう。しかしゼウスは医者としての偉業を称え彼を星座に上げた。
■ Cancer ・・・ 蟹座
アミモーネの沼に住む化けガニである。友人のヒドラが、ヘラクレスに退治されそうになったのを見て助けに来たが、逆に殺されてしまった。それを見た大神ゼウスが、友情を称えて星座に上げた。この時カニは泡を吹きながら上がったので、今でも口のあたりにボンヤリと天体が光っている。M44プレセべ星団である。
■ Leo ・・・ 獅子座
ネメアの森に住む獰猛な人食いライオンで、鎧のような鱗をまとった化け獅子である。何人もの勇者が退治に行くが、森から帰って来るものはいなかった。そこで、怪力ヘラクレスがオリーブの大木で作ったこん棒と強力な弓矢を持って挑んだが、不死身のライオンでありなかなか退治することができない。ライオンはヘラクレスと3日3晩の死闘の末、ついに腕で首を絞められ退治された。このためヘラクレスは逆にエウリュウテウス王に恐れられ、次々と出来そうも無い難題を命じられることになる。
■ Virgo ・・・ 乙女座
清らかな女神の姿。乙女座は豊穣の女神デメテルの娘、ペルセフォネの姿である。月の女神アルテミスの娘で、正義の女神アストレイアの姿とも言われている。”金の時代”と言われた太古、神と人間は地上で野山の果実を自由に食べ平和に暮らしていたが、”銀の時代”になると収穫の分配をめぐり人々の間に争いが起きるようになり、神々は一人一人と天に昇るが、アストレイアは人間に正義を教えるため地上に残る。しかし”銅の時代”になり人間のあいだに争いが増し、アストレイアの言うこと聞こうとする者がいなくなり、ついには妹のアイドス(慈悲の女神)とともに地上を去り、天に上り星座になったと言われている。四季を感じさせる乙女座は、まさにペルセフォネの神話がぴったりする。
■ Libra ・・・ 天秤座
乙女座の正義の女神アストレイアが足元に置いた天秤の姿である。人が死ぬとアストレイアは、死者の心臓をこの天秤で測り善悪を知り、善人は天国、悪人は地獄へ送ると言われている。
■ Scorpio ・・・ 蠍座
オリオンを刺し殺したサソリの姿。腕の良い猟師であったオリオンは、”この世に俺より強い者はいない”と言った為、オリオンに腹を立てた大地の女神ガイアが、一匹のサソリを放ってオリオンを殺させたと言われている。また太陽の神アポロンの息子ファエトンが日輪の馬車に乗った時、馬が大きな蠍に驚いて暴走した時の蠍とも言われている。
■ Sagittarius ・・・ 射手座
半人半馬の一族(ケンタウルス族)怪人ケイローンの姿であり、弓に矢をつがえ、西隣のサソリの心臓を狙っている姿である。ケイローンは頭が良く武勇にも秀でていたので、アポロン、アルテミスの両神は、音楽,医学,予言,狩りなどの力を彼に授けた。その後、ケイローンは先生となり、ヘルクレスやアスクレピオスなどたくさんの英雄を教え育てたと言われている。ところがある日、ヘルクレスとケンタウルス族の間に間に争いが起り、ヘルクレスの放った毒矢がケイローンの足に突き刺さった。ケイローンは永遠の生命を持った身体であり、苦しんでも死ぬことは出来ない。この様子を見た大神ゼウスが星座にあげたと言われている。
■ Capricorn ・・・ 山羊座
パーンはギリシャのドリュオブス王の娘ドリュオベスとヘルメスとの間の子供。彼はいつも仲間のサチュロス達と森のニンフ達を追い掛け回していたプレーボーイである。パーンに追いかけられた一人のニンフ,シュリンクスは、川辺の葦に変身した。パーンは彼女を探しながら、葦を一本折り葦笛を作る。その後、このシュリンクスの笛を吹きながらニンフ達と遊んだと言われている。オリンポスの山に神々が集まり、パーンの葦笛をもてはやしながら祝宴が開かれていた。ある日祝宴に、頭が百あり口から火を吹く怪物デュポンが乱入し、神々は逃げた。ところが、羊飼いの神パーンは酒を飲み過ぎて逃げることが出来ず、川に飛び込んで咄嗟に魚に変身しようとしたが、浅瀬だったため、下半身は魚に変身したが上半身は山羊のままだった。その奇妙な姿が面白いので、神々が喜んで星座に上げたのだと言われている。
■ Aquarius ・・・ 水瓶座
トロイのイーダ山でひつじを飼っていた美少年ガニメデスの姿。ガニメデスの身体は永遠の美と若さをあらわす金色に輝いていた美少年であった。ある日、息子が鷲にさらわれいなくなって嘆き悲しむ両親の姿を見たゼウスは、心が痛み、彼の姿を星空に写したのがこの水瓶座である。星座となった息子の姿を見て、その悲しみを癒せるようにと考えてのことである。このことをガニメデスの父トロースに伝えたのが伝令神ヘルメス。またガニメデスは、鷲に変身したゼウスにオリンポスの山に連れてこられた。祝宴のお酌の係りを努めていた女神ヘラの娘ヘーベがヘラクレスと結婚することになり、祝宴のお酌の係りと酒蔵の管理を任されていた。水瓶から流れ出るルビー色の水は、不老長寿の神酒とも言われている。
■ Pisces ・・・ 魚座
愛と美の女神アフロディーテ(英語でビーナス)とその子愛の神エロス(英語でキューピット)が川で遊んでいる時、突然怪物テュポンに襲われ、変身して水の中に二匹の魚になって逃げた時の母子の神の姿と言われ、激流の中でもはぐれないように、互いの尾を結んだと言われている。そして母子の絆の確かさを神話は伝えている。